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(まえがき)

 今から数年前、とある学校の校務に「情報システム管理室」という部署ができました。長として「室長」という役職もできました。しかし、できてすぐに「情報システム管理室室長」は別名「バーチャル室長」とも呼ばれ、数奇な運命をたどることとなりました。その生い立ちにおきたちょっと変わった話しを、物語風にまとめてみました。




2002年3月

校長室にて・・・

管理職:「インターネットやパソコンが進歩して本校でも、今度、パソコンやインターネットの情報を管理する部署を作ることになった。」

教諭X:「はーあ。」

管理職:「そこで、君に新しくできる情報システム管理室の室長をお願いしたいのだがね。」

教諭X:「え!わたしにですか?  まーいいですけど。」
「ところで、室長ということはどこかに新しく部屋ができるのですか?」

管理職:「ない。」

教諭X:「え? ない!・・・では、予算はどのくらいですか?」

管理職:「ない。」

教諭X:「ええ? ない! ・・・では、仕事内容は・・・?」

管理職:「わからない。具体的には。」

教諭X:「部屋の無い室長。予算の無い管理室。仕事内容のわからない校務。」

教諭X:「わかりました。」

管理職:「では、4月から室長としておねがいする。」

室長:「・・・はい。」

こうして、部屋の無いバーチャルな存在の室長が誕生したという。





2002年4月

まずは、学校中のパソコンの台数とインターネットの適正な管理法の把握・調査・研究。でも、予算は無いから、自分の足と目、耳で調査し頭で研究した。これならお金もかからない。

 約300台以上のパソコンとインターネット3回線。サーバーはない。セキュリティーは特にない。無い無いづくしだが、後にウイルス問題が大発生する時期に、各地でサーバーがウイルスの被害を受ける中、サーバーの無いこの学校では特に大きな被害にはあわなかった。

 いうなれば、ウイルスを防ぐことにサーバーを使わず、回線数を増やすことで、物理的な隔壁を作り出し、危ない部分は回線を切断。他のLANには被害が拡大しない仕組み。なるほどである。

 回線はADSL1・5M。これ以上はスピードアップしても局社からの距離と伝損が大きいため、無意味。よって、1回線あたり、1Mbpsの実行値を一斉に利用できるパソコン台数は上限を50台として、1回線あたり75台から100台までに抑え、300台以上のパソコンを3つに分離し、3回線の契約とし、末端には自前のパソコンでネットのトラフィックを監視し、異常時対応できるようにした。

 ちなみに、Bフレッツに契約を変更したかったが、契約地区に該当しておらず、ADSLを使い続けるしか方法がない。また、回線スピードの速いものに契約を変更しても実際の回線スピードはさほど変わらないため、特に契約変更はしないそうだ。

 管理しやすいように、校内に分散している回線を1つの倉庫(物置)に回線を集約し(自分で配線を引きなおす・・・予算がないから)自前のパソコンで監視しながら、調査。さほど利用の少ない回線に接続パソコンの数を増やす。

 隠れた場所に、存在しない部屋を作り、ひそかに管理する一人だけの戦い。仲間うちから「バーチャルな存在」、「バーチャル室長」と呼ばれ始めた。

 こうして、バーチャルな情報システム管理室、そして、バーチャル室長の誕生となったわけである。

 ちなみに、2年後の2004年4月には「部屋がないのに室長はおかしいということで、情報システム管理室から情報システム管理委員会となり、室長も委員長に名称変更された。」・・・予算も少しは付いたが、いまだに管理用のサーバーはない。

 多くの学校で、何台ものサーバーが置かれ、管理者に任命されるや、その責務は大きく、「触らない!」とか、「触ると壊れる?」という恐れを抱いている人も多いという。

 そんな中、家庭のインターネット環境と同じLAN構成で運用上でカバーするやり方もなくはないが、誰でも簡単に、また、予算の余りかからないセキュリティーがほしい・・・と、担当者は言っていた。



 余談だが・・・家庭のインターネット回線と同じだから、それなりのウイルス対策やwindows updateをしておかないと、当然ウイルスに感染する。この辺の仕組みが理解できない人は接続をあきらめてもらうしかない。ただ・・・命令に逆らえない人からの対応は管理者にとってやや大変なメンテナンスの任務が付きまとう。たとえ校務で使用するパソコンとはいえ、使う側のリテラシーの向上(もしくは、向上心)がなければ、いろいろ難しいこたお多い。そして、なにより、新しい技術とはいえ、通常社会で一般的に利用されているインターネットの最低限の理解については、人として理解を示してもらいたいと、思っているそうである。



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